【おすすめ】105歳どうしても遺したかった言葉は学ぶべき事がいっぱい
今回は、幻冬舎から出版されているこの本を紹介します。
『生きていくあなたへ 105歳どうしても遺したかった言葉 日野原重明』です。
日野原重明先生は教会の牧師の次男として山口県で生まれ、7歳のときに教会で洗礼を受けたクリスチャンです。少年時代に母親の命を医師に助けられたことから医学の道を志し、京都帝国大学医学部を卒業。その後、聖路加国際病院で働き、同病院の院長そして理事長になりました。聖路加国際病院もキリスト教精神の下、1901年(明治34年)に創設された病院です。
この本のインタビューを2016年の年末から2017年の年始に受けられ、同2017年7月18日にこの本に大切な言葉を残し、神様のもとに旅立たれました。
すべて読んでほしい内容ですが、ここではひとつ紹介したいと思います。
「先生は医療を通じて、どのように患者さんへ愛を表してきたのですか?」という質問に対する答えです。先生の信条として「医学とはサイエンス(科学)の上に成り立っているアート(芸術)である」というカナダ生まれの医師であるウィリアム・オスラーの言葉があります。
日野原先生は医療で高い技術を駆使しても、患者さんを本当の意味で苦しみから解放してあげれるとは限らない。現代の医学では治療方法のない病気も多くあり、科学に出る幕がなくなった後でも医学がアートであるならばできることに終わりがない。医師が患者のことを心から思い相対することに限りは無い。医療とは科学に基づいた芸術により、人々を救う行いであると話されています。
どうしても医療というものは病気を治療する事だけに集中する傾向がありますが、それだけでは人は救われないのではないでしょうか。私の父も他界しましたが、長い間 癌で治療していました。その中でいろいろな先生に診てもらってきましたが、アートのない先生もいました。しかし、多くのアートを表現できる先生に会い、父は非常に救われたと思います。そして先生方に感謝しています。
『そこに愛はあるんか』 なんかコマーシャルみたいになりますが、そういう事だと思います。
ぜひ、これから医師を目指す先生の卵の方々にはアーティストであっていただきたい。正直、なかなかその境地にたどり着くのは大変だと思いますが、諦めず忘れずその道を進んでいただきたいです。
この本には他にもたくさんの珠玉の言葉が残されています。医療関係者の方だけでなくいろいろな人い読んでいただけたらと思います。